生物が成長するとき,細胞はどのように変化しているのだろう?今日のテーマは 細胞分裂 しくみ について!
今回は,生物の成長と細胞の変化について見ていくよ。
細胞とは
動物や植物のからだは細胞という小さな部屋みたいなものでできている。
細胞のつくり
核の中には染色体というのが存在する。
染色体には生物の形質(形や性質など)を決める遺伝子が存在している。
タマネギの根の成長のようす
タマネギを図のように水の入ったビーカーに数日間浸しておくと,
このように根が成長する。
根の細胞を顕微鏡で観察すると,
根の部分によって細胞のようすが異なることが分かる。
根の根もと部分・・・細胞の大きさが大きく,数が少ない。
根の先端部分・・・細胞の大きさが小さく,数が多い。
これは,根の先端に近い部分では,細胞分裂によって細胞の数が増え,
根もとに近い部分では,分裂した細胞のひとつひとつが大きくなっているということ。
生物のからだは,このように,細胞の数が増え,そのひとつひとつが大きくなることで成長していく。(下図を参照)
○細胞の変化の模式図
〈細胞分裂の観察〉
タマネギの根の先端の細胞を染色し,体細胞分裂を顕微鏡で観察する。
① タマネギの根の先端部分を切りとり,あたためたうすい塩酸に入れたあと,水の中ですすぐ。
※ 塩酸処理:ひとつひとつの細胞をはなれやすくするため。
② ①をスライドガラスにのせて,柄つき針でつぶし,染色液(酢酸オルセイン)をたらして約3分放置する。
③ カバーガラスをかけたら,プレパラートをろ紙ではさみ,指で根をおしつぶす。
※ 細胞同士が重ならないようにするため。
④ 顕微鏡で③を観察する。
細胞分裂
以上をまとめると,生物は成長するときに細胞分裂をして細胞の数を増やしている。
細胞分裂・・・1個の細胞が2つに分かれて2個の細胞になること
体細胞分裂・・・からだをつくる細胞が行う細胞分裂。
◎細胞分裂の過程
① それぞれの染色体が複製され,同じものが2本ずつになる。
② 染色体は2本ずつがくっついたまま太く短くなって,それぞれが,
ひものように見えるようになる。
③ 染色体が細胞の中央付近に集まり,並ぶ。
④ 2本の染色体がさけるように分かれて,それぞれが細胞の両端に移動する。
⑤ 2個の核の形ができる。染色体は細く長くなり,やがて見えなくなる。
⑥ 細胞質が2つに分かれ,2個の細胞ができる。
⑦ それぞれの細胞が大きくなる。
このようにしてできた新しい細胞2個の核には,もとの細胞と全く同じ数と内容の染色体が含まれていることになる。
細胞分裂が行われる部分
植物・・・根や茎の先端に近い部分で細胞分裂が起こる。
双子葉類・・・維管束とその周辺で細胞分裂が起き,茎は太くなる。
動物(ヒト)・・・骨の内部にある骨髄で,血液の細胞が細胞分裂によってつくられる。
皮膚や消化管の上皮組織では,活発に細胞分裂が行われている。
動物と植物の細胞分裂を比較
動物と植物それぞれの細胞分裂のようすを見てみると
植物細胞では,細胞の内側に仕切りができて2つに分かれるが,
動物細胞では,外側からくびれが生じて2つに分かれる。
以上が生物の成長と細胞の変化についてでした。
次は,生物がどのようにして,新しい個体(子ども)をつくりだしているかについて学習しよう。