ダニエル電池とは何だろう?
前回学習したボルタ電池とのちがいは?
ダニエル電池のしくみを学習していきましょう。
ダニエル電池とは
では,まずダニエル電池について説明していくよ。
ダニエル電池とは下図のような装置なんだ。
ダニエル電池は,
亜鉛板を硫酸亜鉛水溶液に,銅板を硫酸銅水溶液に入れたものを組み合わせた電池なんだ。
以前学習したボルタ電池は水溶液は塩酸だけだったので
そこがダニエル電池と違うところだね。
ダニエル電池のしくみ
次に,ダニエル電池のしくみをイオン,原子,電子のモデルでイメージしてみよう。
各電極での反応は次のようになるんだ
〔-極での反応〕
イオンになりやすい亜鉛板がとけ出す。
亜鉛(Zn)は電子(e−)2個を放出して亜鉛イオン(Zn2+)になる。
〔+極での反応〕
亜鉛が放出した電子(e−)は導線を通って銅板の方へ流れる。
銅板(Cu)では,
硫酸銅水溶液中の銅イオン(Cu2+)が電子(e−)2個を受け取り,銅(Cu)になる。
このとき,導線を通る電子(e−)が豆電球を通過することで豆電球が光るんだ。
ダニエル電池の優れた点
では,ボルタ電池と比べ,ダニエル電池はどのような点が優れているのだろうか。
実際に比較をして見てみよう。
ボルタ電池とダニエル電池の金属板の表面を比較すると,
- ボルタ電池
- ダニエル電池
ボルタ電池では水素が発生している。
発生した水素が次の水素イオンが銅板に近づくのを妨げるため,
水素イオンと電子のやり取りが行われず,
すぐに電圧が低下してしまう。
しかし,ダニエル電池では水素が発生しないので,
電圧が一定になり,安定した電流を長時間取りだすことができるんだ。